このアルバムは、モーリス・ラヴェルの2つの名作「子供と魔法」と「母の妖精」を収録しています。
ヘレーヌ・エブラールやジャン＝ポール・フーシェクール、デルフィーヌ・ガルーなどのソロ歌手と、ブリテン合唱団、若き合唱団、ラミトワール、リヨン国立オーケストラが共演しており、ラヴェルの幻想的で色彩豊かな音楽が見事に表現されています。
レナード・スラットキンの指揮による緻密なアレンジと演奏が、オペラ「子供と魔法」の物語性や、「母の妖精」の夢幻的な世界を鮮やかに描き出しています。


Ravel: L'enfant et les sortilèges, M. 71 & Ma mère l'oye, M. 62

モーリス・ラヴェル（1875年-1937年）は、フランスの作曲家で、印象主義音楽の代表的な存在とされています。
彼の作品は、色彩豊かな和声と独自のリズム、繊細なオーケストレーションが特徴です。
特に「ボレロ」や「ダフニスとクロエ」などが有名で、ダンスのリズムを取り入れたものが多いです。
また、彼の音楽にはフランスの民族音楽やジャズの影響も見られ、革新的な視点が注目されます。
晩年には神経疾患に苦しみながらも、音楽への情熱は変わらず、名作を生み出し続けました。


モーリス・ラヴェル

オルケストル・ナショナル・ド・リヨン（Orchestre National de Lyon）はフランス・リヨンに拠点を置く著名なオーケストラで、1976年に設立されました。
クラシック音楽を中心に、幅広いレパートリーを演奏し、特に現代音楽にも力を入れています。
指揮者や演奏者は国際的に評価されており、数々の著名な音楽祭にも参加。
リヨン市民をはじめ、世界中の音楽愛好者に愛される存在です。
オーケストラは、その演奏の質と多様性で知られ、定期的に録音を行っており、その成果は高く評価されています。


Orchestre National De Lyon

レナード・スラットキンは、アメリカの指揮者として広く知られ、数多くのオーケストラで指揮を務めてきました。
特にセントルイス交響楽団の音楽監督としての長いキャリアが評価されています。
彼は、現代音楽の推進者としても知られ、多くの新作の初演を行い、音楽教育にも熱心に取り組んでいます。
そのスタイルは、精密さと感情表現のバランスが取れており、シンフォニーやオペラ、室内楽においても多様なレパートリーを持っています。
スラットキンは国際的な舞台でも活躍し、音楽界に多大な影響を与えています。


レナード・スラットキン

「Ma mère l'Oye」はモーリス・ラヴェルによるバレエ音楽で、「Apothéose」と「Le jardin féerique」という部分を含みます。
「Apothéose」では、幻想的で壮大な音楽が展開され、物語のクライマックスが描かれます。
心地よい旋律や豊かなハーモニーが特徴で、聴衆を夢の世界へと誘います。
「Le jardin féerique」は、妖精たちが住む美しい庭を描写し、柔らかい音色や優雅なリズムが織り交ぜられています。
全体として、ラヴェルは鮮やかな色彩感と詩的なイマジネーションを駆使し、幻想的な物語を音楽で表現しています。


Ma mère l'oye, M. 62: Apothéose. Le jardin féerique